米国で働く技術系サラリーマンがボヤく事業戦略

米国で働く技術系サラリーマンがコンピュータ・デバイスに関する事業戦略をボヤきます

2番手商法ー真似して何が悪いんじゃ、ごるぁ

さて前回のブログで言及した、「2番手商法」。
筆者は学卒で最初に就職した会社が日立製作所なのであるが、当時の社長(金井様、日立略称(本)/(カ))が繰り返し言っていたのは、「(日立)製作所は市場を作りだす会社ではなく、2番手として市場に入り、その技術力で市場での位置を確立する戦略を(うんぬんかんぬん)」。
当時事業戦略なるものとは大きな距離を置いていたので、「そうか、さすが技術の日立」「石橋は叩いてから渡るのだな」などと微妙な洗脳具合で話を聞いていた筆者。
このブログを読んでいる方の中には「2番手商法なんて独創性がない」「他人真似なんてあほじゃない」と思われる方も多いと思う。
蒼いな、真っ青だよ、お尻が。

市場戦略を練る際にいくつかある重要な項目にKey Success Factor (KSF)がある。
直訳なら「成功の鍵」だ。
市場性の分析、市場でのポジション戦略を立てる際に、必ず見る項目だ。
ありていに言えば「市場で成功している他社の成功の秘訣は何ですか?」だ。
成立している市場の横展開をする場合でも、新規市場形成を狙う場合でも、かならず類似の市場を分析して、そこでの成功原因を分析する。
そのうえで、「この会社はこんな風にして市場のポジションを獲得したから、同じようにやればうまく行くんでない?」「あの市場はこんな風にしてうまくいったから、この市場でも同じようにうまく行くんでない?」と分析するのだ。
・・・真似だよ、真似。
うまく行っている人の真似をするのは基本、勉強でもスポーツでも音楽でもなんでもそうでしょう?
最初っから何も見ずにうまくできる訳はないので、まずは真似です。

2番手商法とは、市場を作ってくださった一番手に感謝しつつ、思いっきり真似た商品・商法で市場に入り、あわよくば技術力とかコスト力とか、事業機動性とか自社の強み(そんなものがあればだけど)で一番を狙います、戦略だ。

ここに3C/3P戦略も加わると、お、ちょっと頭いいな、になる。
市場は、場所、ターゲット顧客、品物が変われば別の市場だ。
「1)中国で、2)ユ〇〇ロに似た衣料品店を開いて、3)若い家族を狙い、4)ユ〇〇ロより安く売る」OK、いいでしょう、うまく行きますよ。
「1)アメリカで、2)ビック3が作ってきなようなintermediate車を、3)ママーババ狙いに、4)ビッグ3よりも安く、高品質で売る」いまや、カ〇リもア〇ードもアメ車です。
「1)日本で、2)ミ〇に似た軽自動車を、3)若い男性狙いに、4)本物より安く売る(軽だからね)」バカ売れでしたね。
ええ、みんな通ってきた道なんです。

なので、2番手商法を揶揄するのは、誰であれ天に唾を吐くのと同じ。
じゃぁ市場リーダーはどうしたらよい?はまた今度。