米国で働く技術系サラリーマンがボヤく事業戦略

米国で働く技術系サラリーマンがコンピュータ・デバイスに関する事業戦略をボヤきます

中国コンピュータ製品(含むスマホ、タブレット)メーカはまだ怖くない(除く情報セキュリティ)

PCやスマホタブレットなどの中国製のコンピュータ製品が市場で目覚ましい成長を遂げている、などと書くのは時代遅れだ。
HuaweiやZTEなど、各方面から輸入禁止を受けているメーカは言うに及ばず、XiaomiやOppoVivoなどインドや東南アジアに行けば、そこここに看板がでており、製品の出来も素晴らしい。
「『安かろう悪かろう』の時代は終わった」と書くのもおこがましい。

これらを表すキーワードは「2番手商法」、「プラットフォーム化」、「水平分業化」だ。
それぞれについては後ほどくわしく書くが、要は「売る市場が出来上がった」「モノ作りが楽になった」のだ。
お金さえあれば、誰でもPCや、スマホタブレットを作れる仕組みが出来上がったのだ。

果たして表題に戻るーなぜ怖くないか?
簡単に言えば、彼らは0から1を作った訳ではないからだ。
姉妹ブログにはときおり「師匠」が登場するが、ある師匠の言葉に「1を10にするのは簡単で、本当に難しいのは0から1を作ること」というのがある。
事業戦略、市場戦略的にもその通りで、全くない市場からある程度の数量がコンスタントに生産・販売される市場を作るのは大変難しい。
いろいろなスタートアップが見事に「キャズムの谷」に落ちていくわけである。
先ほど挙げたこれらの中国メーカは、市場を作った訳でも、プラットフォーム化を推し進めたわけでもない。
多くの人が(タブレットは怪しいが)PCを、スマホを必要とする市場がすでに出来上がっていたところに、これらのメーカは入ってきたのだ。
そしてそこにはメディアテックを中心とした山寨機の製造、生産の生態系が出来上がっており、それが見事にスマホ向けに昇華したのだ。
スマホ前史の山寨機はまた別の回で説明する予定)
もちろん群雄割拠、雨後の竹の子とのように生えてくる「N番手商法」の中で勝ち上がってきたのだから、無能であるとか、誰でもできると言う訳ではない。
その中での努力、長けた戦略(があるかどうかは甚だ疑問だが)でその地位を勝ち取ったのである。
ただ今回の題の「まだ怖くない」のポイントは、「0から1を作った訳ではない」だからだ。

中国発で「0から1を」というとAli PayやWeChat Payなどの「少額オンライン決済」、国家レベルで情報を遮断できる「Great Firewall」、IoTやクラウドサービスを駆使しての「人民監視」、少額オンライン決済を起点とした「人民信用管理」などいろいろ目を見張るものがある。
これらに関してはまた別の回に。